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不透明感漂う中、どうする資産形成、資産運用?
新型コロナウィルスの感染拡大が世界経済に暗い影を落としています。各国で株価が軒並み大きく下落し、代表的な世界株指数のMSCI ACWI Index は2月高値から、3月の直近安値まで、33%下落しました(USDベース)。指数は、2017年のレベルまで下落、つまり、3年分の値上がり分が、1か月で失われました。
このような中で、資産形成・資産運用はどう考えればいいのでしょうか?
危機はチャンス!
老後など必要となる時期へ向けて、積立などで資産を作って行っている人にとっては、まさに危機はチャンスと言えます。安い水準で、資産を貯めることが出来るからです。一方、既にある程度の金額で保有し続けている方は、株式の部分は大きく評価が下がっている状態になります。
とにかく続ける。慌てて売らない
コロナ不況とも言えそうな経済の先行き不透明感で、大きな株式の値下がりを見てしまうと、不安の方が強くなって、「もっと下がりそうだから、今のうちに売った方がいいのでは?」とか、「もっと下がってから買えばいいから、今は積立をやめておこう」などという気持ち、考えになりがちです。
つみたてNISAやiDeCo、企業型の確定拠出年金など、いわゆる積立投資で資産形成を行っている方は、無理がなければ、これまでのペースで続けましょう。株価が大きく下がっている状況で、追加で積み増しを考える場合は、あくまで余裕資金の範囲から、資金を回す事が大切です。緊急資金として確保していた分から回す事は、やめましょう。特に、今の状況が長引き、収入が下がってしまうリスクもあり得る状況ですので、緊急資金を減らした結果、手元資金が足りなくなっては本末転倒です。
そして、この様な状況下では、なるべくやめておいた方がいい事は、大きく株価が下がったところで、不安や恐怖から、保有している投資信託などを全部売却して実現損を出してしまう事です。多くのケースが、売却した水準よりも高くなって再び買い戻す事や、嫌になって買い戻すこともなく損失だけが残るというパターンになります。
リーマンショック後も6年待てば
リーマンショック時の世界の株価下落の際も、先ほどの世界株指数は、2009年1月の安値から6年経って、2014年の夏には、それ以前の高値を回復しました。確かに、リーマンショック時と同じようになるかという保証はありません。しかし、感染が収束、もしくは薬やワクチンが開発され、普通の病気になった場合は、経済も元の状況に戻るでしょう。その時は、株価も回復への期待感から値を戻し、また世界経済も拡大のペースへとゆっくりと戻っていくという、過去と似たような経緯をたどる可能性が高いのではないでしょうか。つまり、今回のこの一番不透明な時期に、現金化にする必要がないのであれば、しばらく置いておくことで、結果は変わる可能性があるということです
なるべく時間を分けて
「当面使わないお金なので、低金利で預金するよりも、投資信託などで持っておいた
方がいいのでは?」というご相談をよく受けます。特に、最近の株式市場の下落で、安
く買えるチャンスなのでは?と考える方もいらっしゃるでしょう。確かに、そういうタ
イミングかも知れませんが、これまで経験があまりないという方は、時間を分けて購入(投資)をする事をお勧めします。 (詳しくはホームページのコラムをご覧下さい)