新型コロナウイルス感染症の影響で収入が下がった|個人向け支援などのまとめ

※内容の更新が間に合っておりませんが、政府のサイトが最新となっておりますので、こちらを参照下さい。https://corona.go.jp/info-navi/ 

※2020年4月17日に公開した記事ですが、一部情報に変更などがありましたので、その部分をアップデートし、その他も追加して2020年5月6日に再度公開しました。

 新型コロナウイルス感染症の影響で、コロナ関連の倒産といわれる件数も増え、生活への不安を持つ方が増えています。ようやく政府の補正予算も国会を通過し、具体的な支援を受けることができるようになりました。支援策に関しては、いろいろな情報が流されていますが、厚生労働省のHPのリーフレットが分かりやすいと感じました。
 生活を支えるための支援のご案内(リーフレット)[厚生労働省]
 https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/pdf/shien-leaf_corona.pdf

 支援策には事業者向けの支援策と個人への支援があり、自分に関係するのはどれなのかが分かりづらいという声もあります。そこで、収入が下がった場合など、個人に関係するものを、今の時点で分かっていることなどを、まとめてみました。(学生が利用できる支援策も加えてみました。)

もらえるお金

 4月16日に、政府は国民1人当り10万円を一律で給付を行うと発表しました。
(この発表以前に発表されていた収入が減少した世帯への30万円の給付は撤回されました。)シンプルで分かりやすくなりましたが、失業や大幅な減収などで、お金が足りない、緊急的にお金が必要という場合は、一時的に借りるという方法もあります。

【定額特別給付金】

≪給付の対象者≫
令和2年4月27日に、住民基本台帳に記録されている人

≪給付額≫
給付対象者1人につき10万円

≪受給権者≫
給付対象者の属する世帯の世帯主

≪申請方法≫
郵送もしくは、オンライン

≪受給方法≫
申請者本人名義の銀行口座へ振り込み

≪申請および給付開始日≫
市区町村による

≪申請期限≫
郵送による申請開始日から3ヶ月以内

【子育て世帯への臨時特別給付金】

≪対象者≫
令和2年4月分(3月分も含む)の児童手当金の受給者
※令和2年3月31日までに生まれており、令和2年3月まで中学生だった児童も含む。

≪支給額≫
対象児童1人につき、1万円
令和2年3月31日時点での居住市町村から支給される。

≪申請手続≫
原則、不要

【新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応支援金】

(委託を受けて個人で仕事をする方向け)
小学校等の臨時休業等に伴い、子どもの世話を行うために、契約した仕事ができなくなった個人で仕事をする保護者へ支援金が支給されます。

≪支援の対象となる方≫(1)~(4)のいずれにも該当する方
(1)保護者であること
(2)対象期間中に①または②の子供の世話を行う事
   ①臨時休業をした小学校等に通う子供
   ②小学校等を休むことが適当と認められる子供
(3)小学校等の臨時休業等の前に、業務委託契約等を締結していること
(4)小学校等の臨時休業等の期間において、子どもの世話を行うために、業務委託契約等に基づき予定されていた日時に業務を行うことができなくなったこと

≪支援の内容≫: 令和2年2月27日から6月30日までの間において、就業できなかった日について、1日当たり4,100円(定額)

≪申請期間≫: 令和2年9月30日まで。
支援の対象者など詳しい内容は厚生労働省の以下のリンクでご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000621731.pdf

新型コロナウイルス感染症に感染した場合に、会社を休んで給料がもらえない場合には傷病手当金や、休業補償給付(医療従事者などの業務上の感染など)を受け取る事ができる場合があります。

【健康保険の傷病手当金】

 傷病手当金は、病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度で、被保険者が病気やケガのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。

≪支給される条件≫:次の①から④の条件をすべて満たしたときに支給されます。
 ① 業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
 ② 仕事に就くことができないこと
 ③ 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
 ④ 休業した期間について給与の支払いがないこと
 (給料の支払があっても、傷病手当金より少ない場合は、差額が支給されます)

≪支給される期間≫:仕事に就けなかった期間。(支給開始した日から最長1年6ヵ月です。)

≪支給額≫:1日当たりの支給額×支給対象となる日数
1日当たりの支給額=(支給開始日以前の12ヶ月間の各月の標準報酬月額を平均した額)÷30日×(2/3)
※各健康保険組合で独自の付加給付がある場合があります。

【国民健康保険の傷病手当金】

勤務先から給与を支払われている国民健康保険の被保険者が、新型コロナウイルス感染症に感染した場合又は発熱等の症状があり感染が疑われた場合に、その療養のため勤務が出来なかった期間(一定の要件を満たした場合に限る)、傷病手当金が支給されます。

≪支給対象となる日数≫:仕事が出来なくなった日から起算して3日を経過した日から、仕事が出来ない期間

≪支給額≫:1日当たりの支給額× 支給対象となる日数
1日当たりの支給額=(直近の継続した3ヶ月間の給与収入の合計額 ÷ 就労日数)
×(2/3)
※ ただし、1日当たりの支給額の上限金額は日額 30,887 円(令和2年3月現在)

≪適用期間≫:令和2年1月1日~9月 30 日の間で療養のため勤務が出来ない期間
(ただし、入院が継続する場合等は健康保険と同様、最長1年6月まで)

【休業(補償)給付】

労働災害のために労働することができず、賃金を受けられないとき
(対象となる条件)次の3つの条件を満たす場合
① 業務上の事由または通勤による負傷や疾病による療養のため
② 労働することができないため
③ 賃金を受けていない
(給付対象となる日数):休業4日目から働けない期間
(支給額):休業(補償)給付=給付基礎日額×60%×休業日数
      休業特別支給金=給付基礎日額×20%×休業日数
給付基礎日額=負傷や疾病の日の直前3ヶ月間の賃金(ボーナスなど臨時のものを除く)の合計額÷就労日数
※給付基礎日額の最低保障額は3970円、年齢別で最高保障額が決まっています。

 事業者向けの支援策ですが、フリーランスを含む個人事業主も含まれているので、加えました。

【持続化給付金】

現時点(4/17)でくわしいことが決まっていないことも多く、補正予算が成立した後の給付となります。

≪給付対象者≫:中堅企業、中小企業、小規模事業者、フリーランスを含む個人事業者等、その他各種法人等で、新型コロナウイルス感染症の影響により、売上が前年同月比で50%以上減少している者

≪給付額≫:前年の総売上(事業収入) — (前年同月比▲50%月の売上×12ヶ月)
※上記の算出方法で、法人は200万円以内、個人事業者等は100万円以内を支給。
詳しくは経済産業省ホームページの以下のリンクでご確認下さい
https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/kyufukin.pdf

借りれるお金

なるべく早く、緊急的にお金が必要な場合、一時的にお金を借りるという選択肢があります。

【生活福祉資金貸付制度】

各都道府県の社会福祉協議会が、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえて、通常は低所得者世帯等への貸付の制度を拡大して、休業や失業などで生活資金へのお悩みをもつ方々への貸付を行ってくれます。2種類の貸付があります。

主に休業された方向け(緊急小口資金)

≪対象者≫:新型コロナウイルスの影響を受け、休業等により収入の減少があり、緊急かつ一時的な生計維持のための貸付を必要とする世帯
※ 新型コロナウイルスの影響で収入の減少があれば、休業状態になくても、対象となります。

≪貸付上限額≫:・学校等の休業、個人事業主等の特例の場合、20万円以内
        ・その他の場合、10万円以内
≪据置期間≫:1年以内(返済開始までの猶予期間)
≪償還期限≫:2年以内(返済開始から終了までの期間)
≪貸付利子・保証人≫:無利子・保証人不要

主に失業された方等向け(総合支援資金)

≪対象者≫:新型コロナウイルスの影響を受け、収入の減少や失業等により生活に困窮し、日常生活の維持が困難となっている世帯
※ 新型コロナウイルスの影響で収入の減少があれば、失業状態になくても、対象となります。

≪貸付上限額≫:・(二人以上)月20万円以内 ・(単身) 月15万円以内
≪貸付期間≫:原則3月以内(※ 原則、自立相談支援事業等による継続的な支援を受けることが要件となります。)
≪据置期間≫:1年以内(返済開始までの猶予期間)
≪償還期限≫:10年以内(返済開始から終了までの期間)
≪貸付利子・保証人≫:無利子・保証人不要

どちらも申込先は、いずれも市区町村社会福祉協議会、又は、労働金庫です。
≪申込に必要なもの≫:
 ・本人を確認するための書類(運転免許証等)
 ・世帯の状況を確認するために住民票、
 ・収入の減少を確認するために給与明細や預金通帳等

今回の特例措置では新たに、償還時において、なお所得の減少が続く住民税非課税世帯の償還を免除することができることとなっています。

詳しくは、最寄りの労働金庫 https://all.rokin.or.jp/ 
又は、
各都道府県社協のホームページ https://www.shakyo.or.jp
又は、お近くの市区町村社会福祉協議会にお問合せください。

支払の猶予など

一時的に支払を猶予してもらうことを検討することも必要な場合もあります。

公共料金

電気・ガス・電話・携帯電話などの公共料金の支払についても、総務省からの要請で各事業者が特別措置を発表しています。

≪東京電力の例≫:
各都道府県社会福祉協議会から「緊急小口資金・総合支援資金の貸付」を受けているお客さまからのお申し出に応じて、特別措置を適用させていただきます。
<特別措置の内容> 支払期日の1ヵ月延長
2020年3・4・5月分の電気・ガス料金について、支払期日(支払い義務発生日の翌日から30日目)を原則として1ヵ月間延長いたします。

 携帯電話各社や上下水道などは、それぞれ事業者に、お客様から申し出があれば、支払延長を受け付けているようです。

納税

既に、確定申告の期限を1ヶ月延長していたりと、新型コロナウイルス感染症への対応が取られていましたが、納税に関しても、猶予の措置がとられています。

国税に関しては、2つの猶予の措置があります。

【新型コロナウイルス感染症の影響により納税が困難な方
 新型コロナウイルス感染症の影響により、国税を一時に納付することができない場合、税務署に申請することにより、原則として1年以内の期間に限り、猶予が認められます
≪要件≫次の要件のすべてに該当するとき
① 国税を一時に納付することにより、事業の継続又は生活の維持を困難にするおそれがあると認められること。
② 納税について誠実な意思を有すると認められること。
③ 猶予を受けようとする国税以外の国税の滞納がないこと。
④ 納付すべき国税の納期限(令和2年4月16日)から6か月以内に申請書が提出されていること。
※ 担保の提供が明らかに可能な場合を除いて、担保は不要となります。

猶予が認められると、
・原則、1年間猶予が認められます。
 (状況に応じて更に1年間猶予される場合があります。)
・猶予期間中の延滞税が軽減されます。
・財産の差押えや換価(売却)が猶予されます。
  
新型コロナウイルス感染症に納税者(ご家族を含む。)がり患された場合のほか、個別の事情に該当する場合】
税務署へご相談ください。
猶予が認められると、
・原則、1年間猶予が認められます。
 (状況に応じて更に1年間猶予される場合があります。)
・猶予期間中の延滞税が軽減又は免除されます。
・財産の差押えや換価(売却)が猶予されます。

くわしくは最寄りの税務署へご相談下さい。
国税庁ホームページのリンク
https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nofu_konnan.htm

住民税に関しても、同様の措置がありますので、市区役所・町村役場へ相談してください。

国民年金保険料

 新型コロナウイルスの感染症の影響により、失業、事業の廃止(廃業)または休止の届出を行っている方など、一時的に国民年金保険料を納付することが困難な場合については、一定の要件に該当する方は、申請をすることで、国民年金保険料の免除が適用される場合があります。
くわしくは、市区役所・町村役場または年金事務所へ相談して下さい。
https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150428.html

生命保険料

生命保険各社では、新型コロナウイルス感染症により影響を受けられた方の契約について、①保険料払込猶予期間の延長、②保険金等各種支払に関する措置という特別取扱いが行われています。

①保険料払込猶予期間の延長
保険契約者からの申し出により、保険会社が定める日から最長6か月間の保険料払込猶予期間の延長措置を実施します。

②保険金等各種支払に関する措置
保険契約者または保険金・給付金受取人からの申し出により、保険金・給付金および解約返戻金・契約者貸付の請求にかかる必要書類の一部省略等、簡易支払いに関する措置を実施します。

詳しくは、契約している各生命保険会社にご確認ください。

損害保険料

損害保険各社では、新型コロナウイルス感染症により契約者が影響を受けた場合、火災保険、自動車保険、傷害保険などの各種損害保険(自賠責保険を除く)について、継続契約の手続きや保険料の支払いを猶予する取り扱いができる場合があります。

①継続契約の締結手続き猶予 継続契約の締結手続きについて、3月13日から最長6か月後の末日(2020年9月30日)まで猶予できる。

②保険料の払い込み猶予 保険料の払い込みについて、3月13日から最長6か月後の末日(2020年9月30日)まで 猶予できる。

詳しくは、契約している各損害保険会社にご確認ください。

学生への支援策

 学生のアルバイト先が、休業等で仕事がなくなり、収入が途絶えて学業継続の危機という人が増えています。アルバイト先から休業手当をもらえればいいのですが、なかなか難しいのが現状です。
 大学では、新型コロナウィルス感染症への対応策で、前期授業料の納期延長を発表してところが多くあります。また、学生へ給付金を支払う大学もありますが、かなり少数派です。

高等教育修学支援制度

授業料の免除・減額や、給付型奨学金の支給を受けられることができます。

≪家計急変の場合の特例≫
世帯(父母等)の収入が大きく減った場合、「家計の急変」として申し込むことが可能です。(急変になった事由から3ヶ月以内)
所得基準は、「家計の急変後」の見込み所得で判定されますので、4月以前に申し込んで対象外となっていた人も、今回のコロナウィルス感染症の影響で支援対象になる場合があります。

≪支援開始時期≫
家計急変の特例として、認定後に申請月から支給が開始
(通常は、4月以降の申込の場合は、10月から支給)

貸与型奨学金

 新型コロナウィルス感染症の影響でアルバイト収入が減少した、あるいは、世帯の収入が大きく減り仕送りが厳しくなるなどの理由で生活費が減少したなどの理由で、奨学金を受けたいという場合、「在学採用」に申し込むことができます。

無利子と、有利子があり、いずれも所得基準は、「家計の急変後」の見込みで判定されます。

≪緊急採用(無利子)奨学金≫
 所得基準:一定年収(700~1290万円)以下(子供1~3人の世帯の場合)
 貸与月額:通常の第一種奨学金(無利子)と同額45,000~64,000円

≪応急採用(有利子)奨学金≫
 所得基準:一定年収(700~1290万円)以下(子供1~3人の世帯の場合)
 貸与月額:通常の第二種奨学金(有利子)と同額20,000~120,000円

採用は随時行っており、採用された場合、希望する月から貸与されます。

その他

健康保険料

 もし、失業となった場合、次の勤務先で勤務するまで、健康保険をどうするかという問題が出てきます。この場合、二通りのやり方で加入することになります。
 ① 退職前の健康保険に任意継続で加入する
 ② 国民健康保険に加入する

退職前の健康保険に任意継続で加入する

 この場合、会社が負担していた保険料も自分で払うことになり(上限あり)、保険料負担が増えますが、
 配偶者などを扶養としていた場合も継続ができる
 (配偶者など扶養の方の分の保険料はありません)

国民健康保険に加入する

 配偶者などを扶養としていた場合でも、全員が国民健康保険に加入して保険料を負担することになります。
ただし、本人の保険料に関しては、会社都合での退職の場合、保険料の軽減が受けられます。
≪軽減の内容≫:
・離職日の前年の給与の100分の30で保険料の計算が行われます。
・離職日の翌日の月から、翌年度末までの期間、軽減を受けられます。

以上、ちょっと多くなってしまいました。全部を網羅できている訳ではないので、随時、追加、修正をする場合がありますが、皆さんが不安に感じている状況で、少しでもお役に立てるれば、幸いです。