NISAや投資信託はどうする?|不透明感漂う中の資産形成、資産運用

 新型コロナウィルスの感染拡大が世界経済に暗い影を落としています。世界の株価が軒並み大きく下落し、代表的な世界株指数のMSCI all country world Index(先進国23か国、新興国23か国の大型株と中型株、2480銘柄で構成。)は2月12日の高値から、3月23日の直近安値まで、約1か月で33%下落しました(USDベース)。指数としては2017年のレベルに下落、つまり3年分の値上がりが、1か月で失われた感じです。
このような中で、資産形成・資産運用はどう考えればいいのでしょうか?

危機はチャンス!

 老後など必要となる時期へ向けて、積立などで資産を作って行っている人にとっては、まさに危機はチャンスと言えます。安い水準で、資産を貯めることが出来るからです。
一方で、既にある程度の金額で保有し続けていた方は、株式の部分は大きく評価が下がった状態になりました。

慌てて売らない

 コロナ不況とも言えそうな現状、経済の先行き不透明感で、大きな株式の値下がりを見てしまうと、多くの人は、不安の方が強くなります。「少し値を戻したけど、更にもっと下がるのでは?」とか「もっと下がりそうだから、今のうちに売った方がいいのでは?」とか、「もっと下がってから買えばいいから、今はやめておこう」などという気持ちになる方もいらっしゃるでしょう。
 でも、この様な状況下で、なるべくやめておいた方がいい事は、大きく株価が下がったところで、不安や恐怖から、保有している投資信託などを全部売却して実現損を出してしまう事です。多くのケースで、売却した水準よりも高くなって再び買い戻す事や、嫌になって買い戻すこともなく損失だけが残るというパターンになる事が多いです。

リーマンショックの時も

リーマンショック時の世界の株価下落の際も、上記の世界株指数も、2009年1月の安値から6年経って、2014年の夏には、2007年の高値を回復しました。
確かに、リーマンショック時と同じようになるかという保証はありません。でも、今回の感染が収束、もしくは薬やワクチンが開発され、普通の病気になった場合は、経済も徐々に元の状況に戻るでしょう。その時は、株価も回復への期待感から値を戻し、また世界経済も拡大のペースへとゆっくりと戻っていくという、過去と似たような経緯をたどる可能性が高いのではないでしょうか。
つまり、今回もこの一番不透明な時期に、現金化にする必要がないのであれば、しばらく置いておくことで、結果は変わる可能性があるということです。

とにかく続けよう

つみたてNISAやiDeCo、企業型の確定拠出年金など、いわゆる積立投資で資産形成を行っている方は、無理がなければ、これまでのペースで続けましょう。株価が大きく下がっている状況なので、追加で積み立てを増やすことを考える方もいらっしゃるかもしれません。その場合は、あくまで余裕資金の範囲から、追加することが大切です。緊急資金として確保していた部分から追加投資することは、止めましょう。特に、今の新型コロナ感染拡大で、収入が下がってしまうなどのリスクもあり得る状況ですので、緊急資金を減らした結果、手元資金が足りなくなっては本末転倒です。

なるべく時間を分けて

 「当面使わないお金なので、低金利で預金するよりも、投資信託などで持っておいた方がいいのでは?」というご相談をよく受けます。特に、最近の株式市場の下落で、安く買えるチャンスなのでは?と考える方もいらっしゃると思います。証券会社で新規口座の開設も急増しているようです。確かに、そういうタイミングかも知れませんね。
 ただ、これまで株式や投資信託を購入した経験がないという方は、時間を分けて購入(投資)をする事をお勧めします。
 なぜなら、実体験の少ない人は、購入すると、どうしても、そのあとの値動きが気になってしまい、落ち着かない状態になりがちです。そこに加えて、今のように不透明感が漂っている中で、マーケットの上下の変動が大きくなって、まとまった金額を投資すると、資産額のブレる額も大きくなります。頭では長期投資と理解できていても、心が耐え切れなくなって、上げ下げが続くと、ちょっと上がったところで売却してしまうといったことが起きます。
 時間を分けることで、マーケットの変動で投資資産のブレる金額を、最初は少なくしておくことで、心への負担を少し和らげる効果もあります。また、予想に反して下落した場合にも、時間を分けて投資をすれば、ドルコスト平均で、簿価平均単価を下げることもできます。
 もう一つ大切なことは、退職金など、目先は使わないが将来使うお金の場合は、将来使う時点まで運用の成果が芳しくなかった場合でも、ご自身のライフプランの実現に支障がない金額を運用に振り向けるという事です。

制度を上手く使おう

 今回のように、各国のマーケットが下落する状況では、成長期待で株価が割高に推移していた企業の株価が急落し、安く買えるようなチャンスでもあります。将来、何倍にも業績を伸ばす可能性のある企業の株を安く買えれば、自分の資産を大きく増やすことが出来るかもしれません。局面によっては、時間を分けて投資するよりも、一括で投資する方がはるかにパフォーマンスを上げる事もあります。そのような、企業を選別できる目や、タイミングをとらえる力は、みんなが持っているわけではありません。
 しかし、誰でも使える有効な仕組みはあります。NISA、つみたてNISAやiDeCoといった、非課税制度を利用すれば、配当や値上がり益にかかる20%の税金を押さえることが出来ます。つまり、将来の値上がり率を、制度を使わなかった場合に比べ20%上げる事が可能なわけです。ぜひ、上手に利用したいものです。

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